恨み・ます

前を向いていきたいけれど、たまに荷物の重さに立ち止まってしまいます。

家から出される

幼い頃によく親に叱られて家の外に閉め出された。

私は小学校1年生の途中で団地からマンションへ引っ越したので、
住んでる家の記憶から閉め出されていた時の年齢は小学校に入る前で間違いない。

兄と一緒になって悪さをしたのかふたりして出される時もあればひとりで出される時もあった。

いつもしばらくは家のドアを叩きながら
泣き叫んで家に入れてもらえるように懇願したり、その後は諦めて団地の周りをウロウロしていたと思う。

ある日また外に出されて、
諦めて団地の1階の集合ポストの前で親が迎えに来てくれるのを待ちながらうつむいて立っていたら、
私の隣の家に住んでる私よりいくつか年上のお兄さんがうちに来る?と聞いてくれたのでついていった。

その家には私と同い年の女の子がいたので、一緒にお風呂に入れてもらってテレビを見て、おばさんにリンゴをむいてもらって食べていたら親が迎えにきた。

私はその時どんな気持ちだったのか思い出せない。
家に帰ったらすごく怒られるのかな、とか考えたんだろうか。
ただその家の人達に温かく親切にされて嬉しい、そんな気持ちだけだったかもしれない。

もちろんその後家に帰ってからは家を閉め出される前以上に怒られたのは覚えている。

そして、隣に同い年の女の子が住んでいたのに全然遊んだ記憶がないのは、
後に母の口ぶりから、その女の子が不美人であまり言動が上品でなかった為と知る。

その後引っ越したマンションでも見た目が良くない子と遊んでいたら、
あの子と仲良くするのはやめたら?
と言われた事があった。

私は親の機嫌をとるためにそれに従い、その子の物真似までやってみせた。

うちはごく中流の家庭であったのに、両親は貧乏人を馬鹿にしたような、うちは上品な家庭です、といった風にふるまった。


小学生の時は、ある日私は家の鍵を忘れてしまったのか家に入れなくて、仲良くしてる同級生の家にあがって待たせてもらっていた。

その子のうちは同じマンションの同じ階だった。

子供同士は毎日一緒に遊んでいたけど、親同士は仲が悪かったというか、こちらが嫌われていたのかもしれない。
私は日々のストレスで友達に意地悪をする事がよくあったからだ。

その日も家に帰ると母親得意の往復ビンタをされ、きつく叱られた。

母親は、私のせいで自分の嫌いな人に借りができたことに腹を立てていた。


高校生になってどうしても家に帰りたくない日があって、家に帰らずに幼なじみのうちへ行った時も、
母親は他人の家に迷惑をかけた事、親子関係がうまくいってない事が他人の知る事になった事実に腹を立てていて、
私が何故家に帰りたくなかったか等は一切聞いてはくれなかった。



幼い頃に家を閉め出された人は結構いるんだろうか?
昔の教育法としては割と当たり前なんだろうか?
何も起こらなかったから良かったものの、私が誰かに連れ去られたりしたらどう後悔するつもりなのか?

はてなが止まらない。


親も一旦子供から離れて冷静になりたかったのかもしれない、とも思う。

というか、一体小さな私がどれほどの悪事をはたらきそんな目に合わなくてはいけなかったのか?

私の親は、私が小さい時にも大きくなってからも、怒った時は必ず
「不満があるなら出て行け」と言った。

10代の学生がひとりでどこへ行けるというのだろうか。
私はそんな風に言われる度に、大人になったらすぐに家を出て行こうという決心を固くしていった。