恨み・ます

前を向いていきたいけれど、たまに荷物の重さに立ち止まってしまいます。

自分の女

幼い頃は父が大好きだった。
甘やかしてくれたし優しくて大きくて守られてる気がした。

でも気がついた時には大嫌いだった。

嫌いというか、生理的に無理という感じか。
同じ浴室を使うのも嫌だし、洗濯物を一緒に洗うのも嫌だった。


父が私の顔を見てるとわかるだけで気分が悪かった。
後ろに立たれるのも嫌だった。


私が家を出てから外で会うたびに
太ったな、痩せたか?、もっと髪を伸ばせ、可愛い服を着なさい
と言った。

どうしてあなたの好みにならなくてはいけないんだろうか。


中学生の頃風邪で熱を出し寝込んだ時に、父が部屋へ来て、
座薬入れたろか?
と言った。

私はもう男親にそんな事をしてもらう年齢ではなかったので断ると
諦めきれないのかその後何度も部屋へ来て
座薬入れたろか?
と言った。

母はそんな父を見て
あんたアホちゃう
と言った。

お父さんは私の下半身が見たいのか?
私は気持ち悪くて怖くてとても嫌な気分だった。


これも中学生の頃、家族で出かけた外出先でお金を持っていなかった私は父にお金を借りて漫画を買った。

その何日か後、父に、
キスしてくれたら漫画代をチャラにしてあげる
と言われた。

困惑していると母が
してあげなさい
と言った。

してあげないと父が悲しむと思った。

寝そべっている父の口にキスをした。
思い出すだけで気分が悪い。



20歳で家を飛び出してから険悪だったけど、
結婚した時に私は親と仲良くしようと決めた。

母が旅行へ行く時は実家へ行って家事をするか私のうちへ招待してあげて欲しいと言われた。

最初の何度かは従ったけど、父を自分では何も出来ない人に仕上げたのは母と父自身のせい。
どうして私が世話してあげなくてはいけないのか?
そう思ってからは忙しいふりをして逃れた。
親不孝をしている気もした。



父は私を女として見ている。
それか母の代理と思っている。

自分に従順な可愛い女。

その考えに至った時、とても嫌な気分がしたけど、これまでの全ての事が腑に落ちた。


お父さんは、私を女として見ている。

私は昔、誰かに

体調を気遣って欲しかった

どういう気分で過ごしているか気にして欲しかった

プライバシーが欲しかった

暴力を受けたくなかった
暴力を見たくなかった

見た目をからかわれたくなかった

友達を悪く言われたくなかった

自由に出かけたかった

ピアノのレッスンを受けたくなかった

服を買って欲しかった

嫌なことは嫌だと言いたかった


いつもさみしかった

不安だった


親の代わりをしたくなかった

親の機嫌をとりたくなかった


怒鳴られたくなかった


隠し事をしたくなかった

嘘をつきたくなかった

決別に至った理由

事の発端は2年前の暮れ頃、
父親の携帯を見た母親が
父親がどこかの女の人に1日100件発信してるのを知ったとかで両親が揉めていた時。

私の携帯の留守電に、父親から携帯の発着信履歴を取ってほしいと依頼してくる話が入っていて、(当時彼らの携帯の名義は私だったから)
後ろでは母のすすり泣く声が聞こえる。

昔いつも両親は揉めていて、言い争いは毎晩で、キレた父親が母親の髪をつかんで家中を引きずり回す事もあった。

兄と私はいつも泣きながら止めに入ったりした。
その度に離婚だなんだって言って、
母親はいつも兄と私に、
あなた達が大人になるまで離婚は我慢するからね
と言った。
私は、毎晩争い事を見せられるくらいならそんな我慢は必要ないと思ったが言えなかった。

その留守電の音声を聞いた時、私は一瞬で当時に引き戻された気がして、胸が苦しかった。

と同時に、どうして彼らは自分達の揉め事に平気で子供を巻き込むのか??
怒りが込み上げた。

その時、これまで我慢して、忘れる努力をしてきた数々の事が噴き出したのだ。

私は親に会っても怒りから普通の会話をするのも嫌になった。

悩みに悩んだけどどうしても我慢できず、これまで胸に秘めてきた思いを便箋6枚に綴って親へ送った。

父親の暴力が怖かった事、
母親に事あるごとに叩かれて悲しかった事、
痴漢にあっても親に話せなくて辛かった事…等等。

これで終わりになるならそれで結構だけど、
心の奥底ではもしかして私の気持ちをわかって謝罪してくれるのではないか?
という考えも捨てきれずにいた。
本当に私は甘い。

親からの返事は、これまで世話になっておいて貴女はひどい
といったもので、私が投げかけた幾つもの質問の答えは一切なし。
やっぱりかという気持ちとガッカリした気持ちだった。

というか少しでも期待した自分が愚かだなあと悲しくなった。

今でも怒りは消えないけど、前を向いていきたいと思う。

熱闘味噌汁

学生の頃、朝食の味噌汁が毎朝ついさっきまで鍋でゴッブゴブに沸騰してたような激熱のものだった。

早く朝食を終えて家を出なきゃいけないけど、味噌汁が熱くて飲めない。

「味噌汁熱くて飲めないから残していくよ」
そう言うと母は
「ふざけるな!全部飲んでいけ!」
と怒鳴る。

「熱くて飲めないんだってば!!」とキレ返す事もあった。

…これが毎朝の日課だった。

何度か味噌汁をもう少しぬるくしておいて欲しいとお願いした事もあったけど、
毎朝味噌汁は激熱なのだった。

また、母は夕食の仕度も遅くいつもお腹ぺこぺこで待たされたし、
お弁当を作るのも遅い為に私はいつも部活の朝練に遅刻するか出られなかった。

パートから夕方帰ってきてしばらくテレビの前で横になって、夕食が出来上がるのは夜8時半から9時。
お腹すいたとか言おうものなら
働いて疲れてるんだ!と怒られたので言わないようにした。

お弁当も、私が朝何時に家を出る必要があるか何度か伝えたけど、早く作ってくれる事はなかった。

顧問の先生に私はお寝坊さんか遅刻魔だと思われていたけど、そうではない。
でも味噌汁が熱くて…とかお弁当ができていなくて…とか言えるはずもない。

母は私から「早くして欲しい」とか「◯◯して欲しい」と言われると必ずキレた。

それは自分はもう十分に子供の為にしているのに、これ以上何か要求されたくない!!という気持ちからと推測する。

それに子供は自分の所有物というか、奴隷か何かだと思っている節もあった。
意に反する事でも、
「世話になってるんだからそのくらいやれば?」と言われて従わざるを得ない時も多くあった。

「世話してやってる」「ひとりで大きくなったと思うな」
そう何度も言われたし、
「あんたのオムツも替えてやったんだから将来はあんたが私のオムツを替えるんだ」
と言うのも口癖だった。

父も母も、子供からの要望ははね返すか、ハイハイと聞き流すかだったので
親に何かお願い事をする事はなかった。

夢を見る

昼寝をしたら母が夢に出てきた。

泣いてて、
こんな事していいと思ってるのかとなじられた。

私も泣いて、
起きたらどうしようもなく暗い気持ちがしばらく続いた。

こんな日は誰か側にいて欲しい。


ずっとずーっと、母に嫌われるのが怖くて、怒られるのが怖くて、
母が気を悪くしないように、母を悲しませてしまった時はとても罪悪感を感じて生きていた。

今の状況は、考えないようにしてても心の奥底で罪の意識が消えないんだろう。

親に会わなくなって1年半経った。

未だにそれについて考えない日はない。
毎日色々考えてはこれで良かったんだと思い、
でもまだ罪悪感が消えない自分がいて…
その繰り返しだ。

感謝はしろと言われてするものではない

今日は父の日。


母の日、父の日、両親の誕生日、結婚記念日…

素通りすると怒られるので、昔はちゃんと考えてプレゼントを贈ってきた。


でもいつからか何もしなくなった。

それは、私が何を贈っても喜んでもらえたことは一度もないからだ。


「なんぼしたん?」

値段で私の気持ちの大きさを計り、

「ふーん」

と言って、

「何々が欲しかった」とか「今度からこういうのにして」

と言われておしまい。

そんな日。


彼らは、子供は親に育ててもらった恩があるから、

子供が親に何かするのは当然のことという考え。


どんな贈り物でも、自分達が子供にしてきてあげた事にはかなわない

そういう思いがあるからだと思う。


小学低学年の頃、母の日だか誕生日だかに

母に何が欲しいかと尋ねたら、

あるメーカーの口紅の商品番号まで指定され百貨店へ見に行った。

値段は4千円に近い金額で、当時の私にとっては苦しい金額だった。


お年玉がなくなるなあ

私のお小遣いを知ってて、なんでこんな高い物を欲しがるんだろう

と思ったけど、母に失望されたくなかった。



結婚してから食事を作って家に呼んでも、美味しいとかありがとう等の言葉ももらった事はない。


子供は親にしてあげて当然

そう思ってるからそりゃそうだー。



母はどんな事柄においても自分が1番ですごいねと称えてあげないといけない人なので、

私の料理や容姿や仕事や何においても手放しで褒める事はない。


例え褒めてくれたとしても、最後に必ず

「ま、私の方が上だけどね」という言葉がつく。


そんな親に何かしてあげたい気持ちはない。



もう手遅れ

私はいつも何か大切な事を忘れてしまってる気がしている。
友達との約束であったり、とにかく漠然とした「何か」。

昔から究極にボーーーっとしていて周りに置いていかれる事が多かったせいなのか。

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普通に暮らしてる間に忘れちゃいけない色んな事をスルーしてきてしまったんじゃないかと突然怖くなり、
自分の今の状況をひとつひとつ確認する。

私は今月金で仕事を持ってるから面接の予定はない、Mちゃんとの飲み会は今週末、美容院は来週末…

そうすると少しホッとするけど、
やっぱり何か大切な事を忘れてしまってる気がするんだ。